最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)3070 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人両名の弁護人山内忠吉、岡崎一夫の上告趣意について。
第一点
憲法三七条二項は、被告人側の申請するすべての証人を取り調べることを要求し
ているものではなく、「健全な合理性に反しない限り、裁判所は一般に自由裁量の
範囲で適当に証人申請の取捨選択をすることができる」ものであることは、当裁判
所の判例である。(昭和二三年(れ)八八号同年六月二三日大法廷判決、集二巻七
号七三四頁)本件の場合も、「右却下された各証拠の取調は、必ずしも、本件の裁
判に必要適切なものでないと認めても、実験則に反するところはない」とした原審
の判断が、所論のように、憲法の右条項に違反するものとは認められない。
第二点
「事実審の裁判官が、普通の刑を法律において許された範囲内で量定した場合に
おいて、それが被告人の側から観て過重の刑であるとしても、これをもつて直ちに
……憲法にいわゆる『残虐な刑罰』と呼ぶことはできない」ことは、当裁判所の判
例であり(昭和二二年(れ)三二三号同二三年六月二三日大法廷判決、集二巻七号
七七七頁)、所論は、結局量刑不当の主張に帰着する。
第三点
所論は、原判決の憲法七六条三項違反を主張するのであるが、その実質は、事実
誤認又は量刑不当の主張に帰着し、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
なお、記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められ
ない。
よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。
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この判決は、裁判官全員一致の意見である。
昭和二七年一二月一九日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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